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10 ATコマンドリファレンス【通信実行コマンド】

通信実行用のATコマンドは、AT+Dで始まりますが、状態取得のために、一部は、AT+Cコマンドも含みます。それぞれ、実際のデータ送受信やネットワーク接続操作を実行するために使用する通信実行コマンドです。通常、AT+DJOINコマンドによりLoRaWANネットワークへの参加(Join)後、AT+DTRXコマンドによりデータ送信を行います。

10.1 AT+DJOIN / Send JOIN request#

AT+CJOINコマンドは、LoRaWANデバイスをネットワークに参加(JOIN)させるために使用します。このコマンドは、デバイスがLoRaWANネットワークと通信を開始するための認証と初期化プロセスを開始します。

  • コマンド詳説
    このコマンドでは、JOINプロセスの開始/停止、自動JOIN設定、JOIN間隔、最大試行回数を制御することができます。書き込みコマンドが正常に実行された場合、「OK」という応答が返されます。一方、コマンドの実行中にエラーが発生した場合、「ERROR」という応答が返されます。エラーの原因としては、無効なパラメータ値の指定が考えられます。

  • 文法

書き込みコマンド

AT+DJOIN=<value1>,<value2>,<value3>,<value4>

パラメータ

value1>:JOINプロセスの制御として以下の選択ができます。
0:stop JOIN process
1:start JOIN process

value2>:自動JOIN設定として以下の選択ができます。
0:Turn off automatic JOIN
1:Turn on automatic JOIN

value3>:JOIN試行間隔として7~255sの整数値の中から選択できます。

value4>:最大JOIN試行回数として1~255の整数値の中から選択できます。

レスポンス

・肯定レスポンス

書き込みコマンドレスポンス

OK

・否定レスポンス

サポートされない値を設定したときのエラーとして以下のエラー応答が返ってきます。

ERROR
  • コマンド例

・ JOINプロセスを開始するコマンド例です。

Set commandAT+DJOIN=1,0,8,2
ResponseOK

この例では、JOINプロセスの開始、自動JOIN設定オフ、JOIN間隔8秒、最大試行回数2回に設定しています。

10.2 AT+CCONFIRM / Configuration of message type (confirm or unconfirm)#

AT+CCONFIRMコマンドは、LoRaWANデバイスのメッセージ確認モードを設定または取得するために使用します。このコマンドを使用することで、デバイスが送信するアップリンクメッセージの確認(confirmation)要求を制御することができます。

  • コマンド詳説
    このコマンドでは、設定の書き込みおよび読み取りを行うことができます。書き込みコマンドが正常に実行された場合、「OK」という応答が返されます。読み出しコマンドが正常に実行された場合、設定値が返されます。
    成功した場合、「+」から始まるコマンド文字列に「=」が続き、設定値が返されます。さらに改行コードの後に「OK」という応答が続きます。一方、コマンドの実行中にエラーが発生した場合、「ERROR」という応答が返されます。エラーの原因としては、無効なパラメータ値の指定が考えられます。

  • 文法

書き込みコマンド

AT+CCONFIRM=<value>

読み取りコマンド

AT+CCONFIRM?

パラメータ

value>:メッセージ確認モードの設定として以下の選択ができます。
0:UnConfirmed up message
1:Confirmed up message (default)

確認応答モード(1)では、各メッセージに対してネットワークからの確認応答が要求されます。未確認モード(0)では、確認応答は要求されません。

レスポンス

・肯定レスポンス

書き込みコマンドレスポンス

OK

読み取りコマンドレスポンス

+CCONFIRM=<value>

・否定レスポンス

サポートされない値を設定したときのエラーとして以下のエラー応答が返ってきます。

ERROR
  • コマンド例

・メッセージ確認モードを設定するコマンド例です。

Set commandAT+CCONFIRM=1
ResponseOK

この例では、メッセージ確認モードを確認応答モードに設定しています。

・現在のメッセージ確認モードの読み取りコマンド例です。

Query commandAT+CCONFIRM?
Response+CCONFIRM=1
OK

この応答は、現在のメッセージ確認モードが確認応答モードに設定されていることを示しています。

10.3 AT+CNBTRIALS / Configuration of number of times of send#

AT+CNBTRIALSコマンドは、LoRaWANデバイスの確認メッセージ(Confirmed messages)の再送回数を設定または取得するために使用します。このコマンドは、デバイスがネットワークからの確認応答を受信できなかった場合の再送動作を制御します。

  • コマンド詳説
    このコマンドでは、メッセージタイプと最大再送回数の2つのパラメータ設定の書き込みおよび読み取りを行うことができます。書き込みコマンドが正常に実行された場合、「OK」という応答が返されます。読み出しコマンドが正常に実行された場合、文字列形式で設定が返されます。
    成功した場合、「+」から始まるコマンド文字列に「=」が続き、設定文字列が返されます。さらに改行コードの後に「OK」という応答が続きます。一方、コマンドの実行中にエラーが発生した場合、「ERROR」という応答が返されます。エラーの原因としては、無効なパラメータ値の指定が考えられます。

  • 文法

書き込みコマンド

AT+CNBTRIALS=<MType>,<value>

読み取りコマンド

AT+CNBTRIALS?

パラメータ

MType>:メッセージタイプとして以下の選択ができます。
0:unconfirm packet
1:confirm packet (default)

value>:最大再送回数として1~15の整数値の中から選択できます。(default: 2)

レスポンス

・肯定レスポンス

書き込みコマンドレスポンス

OK

読み取りコマンドレスポンス

+CNBTRIALS=<MType>,<value>  OK

・否定レスポンス

サポートされない値を設定したときのエラーとして以下のエラー応答が返ってきます。

ERROR
  • コマンド例

・ メッセージタイプと最大再送回数を設定するコマンド例です。

Set commandAT+CNBTRIALS=1,8
ResponseOK

この例では、メッセージタイプとして確認応答タイプ、最大再送回数として8回に設定しています。

・現在のメッセージタイプと最大再送回数の読み取りコマンド例です。

Query commandAT+CNBTRIALS?
Response+CNBTRIALS=1,8
OK

この応答は、現在のメッセージタイプとして確認応答タイプ、最大再送回数として8回に設定されていることを示しています。

10.4 AT+DTRX / Send and receive data frames#

AT+DTRXコマンドは、LoRaWAN ネットワークにJOINしたあと、LoRaWANデバイスでデータを送信するために使用します。このコマンドを使用することで、確認型/非確認型メッセージの選択、再送回数の設定、ペイロードの送信を一度に行うことができます。

  • コマンド詳説
    このコマンドでは、確認型/非確認型メッセージの選択、再送回数の設定、ペイロードの送信を一度に行うことができます。書き込みコマンドが正常に実行された場合、「OK」という応答が返されます。一方、コマンドの実行中にエラーが発生した場合、「ERROR」という応答が返されます。エラーの原因としては、無効なパラメータ値の指定が考えられます。

  • 文法

書き込みコマンド

AT+DTRX=<confirm>,<nbtrials>,<len>,<payload>
  • パラメータ

confirm>:メッセージタイプとして以下の選択ができます。
0:unconfirm packet
1:confirm packet (default)

nbtrials>:最大再送回数として1~15の整数値の中から選択できます。

len>:送信ペイロードの長さ(バイト数)を指定します。

payload>:16進数形式の送信ペイロードデータを文字列で指定します。

レスポンス

・肯定レスポンス

書き込みコマンドレスポンス

OK+SEND=<len>OK+SENT=<confirm>OK+RECV=02,00,00

・否定レスポンス

サポートされない値を設定したときのエラーとして以下のエラー応答が返ってきます。

ERROR
  • コマンド例

・データ送信を実行するコマンド例です。

Set commandAT+DTRX=1,3,5,48656C6C6F
ResponseOK+SEND:05
OK+SENT:01
OK+RECV:02,00,00

この例では、データ送信設定として確認型メッセージ、再送回数3回、5byte長のペイロード0x48656C6C6F("Hello"の16進数表現)を送信しています。

10.5 AT+DRX / Get the latest received data#

AT+DRXコマンドは、LoRaWANデバイスで受信したダウンリンクメッセージを確認するために使用します。このコマンドを使用することで、デバイスが最後に受信したダウンリンクメッセージの内容を取得することができます。

  • コマンド詳説
    このコマンドは読み取り専用であり、デバイスが最後に受信したダウンリンクメッセージの内容を取得することができます。コマンドが正常に実行された場合、受信ペイロード長とペイロードデータが文字列形式で返されます。
    成功した場合、「+」から始まるコマンド文字列に「=」が続き、受信ペイロード長とペイロードデータ文字列が返されます。さらに改行コードの後に「OK」という応答が続きます。一方、コマンドの実行中にエラーが発生した場合、単に「ERROR」という応答が返されます。

  • 文法

読み取りコマンド

AT+DRX?

パラメータ

len>:受信ペイロードの長さ(バイト数)を表します。

payload>:16進数形式の受信ペイロードデータを文字列で表します。

レスポンス

・肯定レスポンス

書き込みコマンドレスポンス

OK

読み取りコマンドレスポンス

+DRX=<len>,<payload>  OK

・否定レスポンス

サポートされない値を設定したときのエラーとして以下のエラー応答が返ってきます。

ERROR
  • コマンド例

・デバイスが受信したダウンリンクメッセージの内容を取得をするコマンド例です。

Set commandAT+DRX?
Response+DRX=0
OK

この例では、受信データが無いことを表しています。