13 よくある質問(FAQ)
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13.1 通信互換性E220-900T22S(JP)と、同22L(JP)は、相互に通信がおこなえます。このシリーズは、LoRa変調にかけるビットパターンや通信暗号手順を同一にしており、電力や電波法などの規定に関する部分についてのみ違いがあります。
また、ファームウェアver.1.x(ver.1.0、ver.1.2)、ver.2.0間の通信互換性においても、LoRa変調波は完全に同一のものであり、相互に通信可能です。Ver.1.xとver.2.0の差は、無線通信に関わる部分では無く、無線通信の制御やモジュールとMCUのデジタル信号の手順などを拡充させたもので、LoRa通信の仕様に差はありません。また、ver.2.0ファームウェアは、デフォルトでは、ver.1.0互換のデジタルインタフェースを持ちます、特にver.2.0の追加機能を必要としない場合は、MCUのソフトウェアにおいても高い互換性を持ちます。
ただし、ver.2.0においては、仕様の厳格化などのため、信号のタイミングやレジスタのデフォルトが変更されている部分があります。UART、M0、M1、AUXの完全な信号タイミングレベルの互換性を維持したい場合は、ver.1.0、もしくは、ver.1.2ファームウェアの使用を推奨します。
E220-900T22L(JP)においては、ver.1.xのファームウェアの提供および提供予定はありません。E220-900T22L(JP)のファームウェアの提供・サポート、初期ロットバージョンは、ver.2.0となります。
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13.2 通信可能距離E220-900T22S(JP)は、最大で20mW(特定小電力、微弱な電波)でありながら、LoRa変調による効果で、見通しがよければ、10km以上離れた地点においても受信可能な場合もあります。ただし、設置環境(高さ・周辺の電波状況・見通し)や電波状況等によって大きく変動します。また、アンテナの種類、設置状態も影響します。
実用的な目安としては、ビル・マンションなどの区画範囲、学校や工場の敷地内、山頂から見渡せる範囲などは、一部の金属構造物の内側などでない場合は、13dBm(20mW)の出力設定で届く場合が多いですが、アンテナの設置場所の工夫は必要とします。アンテナは周囲が開放された見通しの良い場所に設置することが好ましく、屋上やバルコニーなどに設置されることで良い電波到達性能を期待できます。
周囲にコンクリートなどの建造物が多い市街地などでは、数百メートルから1km程度以下になる場合もあり、郊外では3km程度、田園地帯などでは5〜10km程度通信可能な場合もあります。また、山頂や鉄塔に送受信ともにアンテナを設置した場合は、70〜100km近くの距離で通信が可能であった事例もあります。
連続パケット送信、もしくは、間欠でのパケット到達性の安定度は、通常100%(パケット損損失0)を前提としてシステムを設計することはできません。本通信モジュールには、国内電波法遵守のための、キャリアセンスによる電波監視で決められた送信遅延や停止、また、混信などの影響を含めた、空間の状況によってパケット到達確率は100%から低下します。
一般的な環境下においては、送受信モジュールの設置場所を固定していても、受信時に観測されるRSSI値は変動します。この変動要素には、周囲のノイズ、送信機や受信機のアンプの増幅レベルの誤差(送信においては最大1dBm程度、平均0.5dBm程度)を含み、電波伝搬経路の僅かな変化によっても影響を受けます。経験による定量的な目安は、-110dBm〜-120dBm程度以上のRSSI値であるとき、比較的パケット損失は低く、RSSI値においても安定します。一方で、-130dBm以下、最小では-145dBm程度くらいになるケースでは、パケット到達率は不安定になりやすい傾向にあります。
本LoRaモジュールの理論的、理想的、一般的な環境での通信距離における評価値は、「奥村–秦カーブ(奥村–秦モデル)」と呼ばれるマイクロ波・移動無線における経験則モデルが有名で、参考値として使用できます。(図 58、図 59)
図 58 奥村-泰モデル 920MHz 13dBmの理想アンテナでの受信電力(アンテナ設置高15m)
図 59 奥村-泰モデル 920MHz 22dBm出力の理想アンテナでの受信電力(アンテナ設置高15m)
この受信電力dBm値が、およそ-140dBm付近が本LoRa通信モジュールの受信感度限界といえます。
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13.3 電波の出力損失の回避電波出力が悪化するパターンをいくつか例示します。これらに該当する場合は、適切な対策を実施することで出力を改善できます。
大地(地面)は電波を吸収・反射するため、地面付近にアンテナを設置することは避け、アンテナを高く上げることを推奨します。また、湖面や海水など、大量の水がある区域で、アンテナを水面に近づけて使用すると出力が大きく減衰します。水面から離しての使用を推奨します。
アンテナの近くに金属製の物体がある場合、もしくは、金属製のシェルの中にアンテナが置かれている場合、信号の減衰は非常に深刻になります。金属に比較的強いアンテナも使用できるようになってきていますが、一般に専用の設計を要するため、個別の測定や検証を要します。
本モジュールに供給される電源の安定性が低い場合、電源の出力インピーダンスが高い場合などは、電源設計を見直してください。本モジュールは、送信時に瞬間的に電流を要します。給電ラインの電圧低下や電圧リプルの発生を抑えるように工夫をしてください。
本モジュールとアンテナの整合度が悪い場合や、アンテナ自体の品質に問題があると、通信に影響します。設置状態でのアンテナインピーダンスやモジュールの取り付け状態などを確認してください。また、アンテナケーブル自体も信号減衰の要因となります。アンテナによって指定されたものや、プリント基板上の配線やコネクタについても信号減衰が少ない実装を行ってください。
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13.4 デバイスの接続台数(同時使用台数)本モジュールの同時使用台数は、予め決められた数の制限はありません。このPrivate LoRaのパケット通信方式は、ステートレスで、コネクションや対抗の通信モジュールの情報を管理・保持することはなく、本モジュールの仕様や動作要件が使用数を制限することはありません。実際のアプリケーションでの同時使用を想定した場合、電波の到達エリア内での通信頻度と通信時間(Air Time、電波の占有時間でありLoRa変調のための通信パラメータとペイロード長により決まります)によって、同一空間状の電波の混雑度が決まります。簡易的な計算を行う場合は、通信頻度(単位時間あたりの回数)とAir Timeの積が、総電波使用時間であり、同一の周波数(チャンネル)でこの時間の占める割合が大きいほど、混信の発生が増加します。
本モジュールに搭載されるキャリアセンス機能(電波法によって搭載が義務付けられている機能で、強制的に常に送信時に働きます)による衝突回避や、アプリケーションによってデバイス毎に送信タイミングなどをずらす工夫を実装することで、計画的に混信を回避することも可能です。このキャリアセンス機能は、モジュール同士が近接する場所で強い電波発射(-80dBm超)を捉えた場合、自らの電波発射を遅延させる機能であり、大きな電波干渉は避けられますが、LoRa変調は離れた場所での電波復調が可能なことから、他の通信変調方式に比べてこのキャリアセンスの機能性はやや薄れる場合があります。
LoRaモジュールの受信個体を区別するためのデバイスIDは16bitであり、65,535台(0x0000〜0xFFFE)を1つの受信待ち受けチャンネルで区別可能です。ペイロードにIDビットを拡張すればさらに多くのデバイスを区別することは容易です。 送達確認符号返答(ACK)などの実施の有無によっても変わり、万単位のデバイスを同一電波到達エリア内で使用することも可能です。
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13.5 モジュールの使用環境モジュールの使用環境における注意点を示します。これらは例示であり、個々の設計者により適切な環境下で使用されることを確認してください。
給電のための電源を確認して、定格電源電圧内にあることを確認してください。 定格電圧を超えると、本モジュールは恒久的に損傷する可能性があります。
設置および使用中は、必ず静電気防止対策を行ってください。本モジュールは金属シールドを施してありますが、高周波コンポーネントは一般に静電気に敏感です。
設置および使用中は、高湿度を避けてください。内部で使用している高精度のオシレータコンポーネントなど湿度に敏感なものを含みます。
特別な要件がない場合は、高温または極低温環境下での連続使用は推奨しません。結露や部分的な過度な高温など、モジュールの動作要件を逸脱する可能性があります。可能な限り、余裕のある動作環境を構築して利用してください。
E220-900T22L(JP)は、陸上移動無線局の認証に必要な温度・湿度変動、振動による周波数偏位が基準以内であることは確認されていますが、長期間にわたる高温多湿、極低温、振動により物理的な環境によって影響される環境耐性をもつ部品ではありません。
零下・低温時の動作についても、電波放射が正常に行われることを確認していますが、使用するバッテリーなどは、一般に零下以下の極低温域で安定した出力を得られるものは限定されます。低温使用時において、異常が生じた場合、まず電源ラインの安定性の確認を推奨します。
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13.6 BER(ビットエラーレート)本モジュールは、電気的な影響によって、ビットエラーが介入、混入する可能性があります。LoRa変調後の無線の送受信においては、LoRaデジタル変調におけるBER訂正・補完機能が働き、ビットエラーの発生確率は極めて低いため、通常の使用においてはそれを考慮する必要はありませんが、本モジュール、および、それが実装されているプリント基板上で発生するノイズやMCUのクロック精度などによってUART信号にエラーが混入することは希に生じます。Firmware ver2.0においては、UART信号上のビットエラー検出のためチェックサムバリデーション機能を設けており、本機能を有効にすることで、UART上で生じたエラーをこのチェックサムの検証能力の範囲で検出可能です。
その他、ビットエラーやデジタルエラー回避のための手順を例示します。
M1、M0のチャタリングや、安定性担保のため、M0、M1操作(変化)後の状態遷移に約1msの遅延を設けています。これらのピンの操作をごく短時間で行うと安定した動作を損ねることがあります。
AUXピンのチャタリング防止のため、外挿キャパシタなどによって信号を安定させることを推奨します。
近くに同周波数信号干渉がある場合は、BERが高くなります。干渉源から離れるか、干渉を避けるために周波数とチャネルを変更してください。
電源能力が不十分な場合、伝送データが文字化けする可能性があります。電源の信頼性を確保してください。
信号や電源の延長ケーブルやフィーダーの品質が不十分または長すぎると、ビットエラー率が高くなる可能性があります。
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13.7 送達確認符号返答(ACK)本モジュールは、モジュール機能内に送達確認符号返答(ACK)を自動的に実施する機能は実装されておりません。本モジュールは、無線チャンネル、帯域の組み合わせを送信と受信で任意の設定が行えるように配慮したPrivate LoRaの手順・方式を採用しています。それによって、送受信で同一無線チャンネルを使用するLoRa通信方式に対して、電波利用効率の拡大と、混信発生確率を下げることに貢献できます。
図 60のように受信待ち受けチャンネルと、送信チャンネルを、同一システム内で個々のモジュールに別々のものを適用し、送信パケット内でACKなどに返信先となるチャンネルや返信先デバイスIDをペイロードで渡すことによって、送信パケットとACKパケットを別のチャンネルを使用することができます。これによって、ACK返信中に他の送信電波の混信や遅延を回避することを実現できます。
図 60 送受信チャンネル分離によるACK動作例
単純に、送受信同一のチャンネルを使用して、ACKを返信することも可能です。その場合は、送信後、受信状態を維持すればACKは受信可能で、ACK受信時間にタイムアウトを設けることによって、電力の節電なども実現可能です。図 61のように受信側でのACKの返信においては、このタイムアウトの設定値を共有しておくことで、送信時のキャリアセンス遅延タイムアウト制限設定と併用し、無駄なACK送信を削減することも可能です。
ACK処理のアプリケーション開発者による実装方法に関して詳しくはサポートサイトページ(https://support.dragon-torch.tech/887/)を参照してください。
図 61 ACK待ち受けタイムアウトと、キャリアセンスタイムアウトの設定値図示
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13.8 連続パケット送出時のAirDataRate本モジュールは、電波法、ならびに、ARIB STD-T108の通信制約に従って電波放射の制約をモジュール内の動作として課しており、連続パケット送信に制約が生じます。本来、LoRa変調による送信は、多量のデータを連続的に送信することには適しませんが、ここでは、連続送信の最大スループットが、各制限の適用を受けた状態において、実際のモジュールでどの程度になるかを説明します。
本モジュールの送信ビットレートは、LoRa変調パラメータ、ペイロードに搭載するサイズによって異なるものの、計算上の瞬間レートは1.7kbps~62.5kbpsです。ただし、電波法で定められた、電波休止時間を守るなどの対応のため、実際の利用においては、連続送信時は最大でこの半分程度になります。このビットレートの最高値は、キャリアセンスや、UARTシリアルバスの伝送速度、AUXのタイミングなどの影響を受けます。
最高AirDataRate設定時の連続送信スループット
8.2節の表 5から最高AirDataRate設定となるのはSF:5、BW:500kHzのときになります。1回の送信にかかる時間として、以下の3つがあります。キャリアセンス時間
8.4節のキャリアセンス動作により、最小でも5msのチャンネル監視を行います。電波送信時間
SF:5、BW:500kHzのとき、ペイロード200byteを電波送信する際の所要時間は8.2節の表 4から50.512msとなります。送信休止時間
9.2節の送信休止時間の制御により、BW:500kHzでCH:0-12を選択した場合1回の送信ごとの送信休止時間が50msとなります。
上記3つの時間を合わせて、最高AirDataRate設定でのペイロード200byteを1回送信するのにかかる時間は5+50.512+50=105.512msとなり、実効スループットは(200 * 8) / (105.512 / 1000) ≒ 15.2kbpsとなります。
- 到達距離最大でのAirDataRate設定時の連続送信スループット
8.3節のBW,SF値と受信感度の関係から、受信感度が一番高くなる、すなわち到達距離が最大となる設定はSF:9、BW:125kHzのときになります。前述のキャリアセンス時間は最小で5ms、電波送信時間はSF:9、BW:125kHzのとき、ペイロード200byteを電波送信する際の所要時間は8.2節の表 4から1,381.376ms、送信休止時間はBW:125kHzでCH:0-14を選択した場合は50msとなります。
1回の送信にかかる時間を同様に求めると、上記3つの時間を合わせて、到達距離最大となるAirDataRate設定でのペイロード200byteを1回送信するのにかかる時間は5+1381.376+50= 1,437.376となり、実効スループットは(200 * 8) / (1,437.376 / 1000) ≒ 1.1kbpsとなります。
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13.9 パケット到達のリアルタイム性本モジュールで使用しているPrivate LoRa通信の手順は、ビットレートが低速である以外においては、ほぼリアルタイムに無線伝送は可能です。ただし、確認応答(ACK)などを組み込む場合は、それとのトレードオフによってリアルタイム性は損なわれます。
弊社調査結果では、到達範囲内における定点間通信において、一般的なLoRaパケット到達率は70%〜99%程度です。安定していると思われる場合でも、30%程度のパケット損失が発生しうる場合があると考えて全体を設計することが必要ですが、到達保証を必要としない使用方法においては、リアルタイム性を確保してそれを優先する使用方法も可能です。ただ、その場合でも、ペイロード長、LoRa変調パラメータによるAir Timeが長くなることによる、送達遅延は含まれるため、設計には注意が必要です。これらは、別途計算シートを用意しておりますのでそちらで計算可能です。
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13.10 他の920MHz通信機器との電波干渉本モジュールの送出する電波は、他の920MHz無線(FSK通信方式など)と干渉します。ただし、国内では、この帯域に多数のチャンネルが割り当てられており、実用的な範囲と使用方法では、それほど干渉ジャミングによる通信遮断の頻度は大きくはありません。また、正しく無線出力が設計されたWi-Fi(2.4GHz, 5GHz, 6GHzなど)、Bluetooth(2.4GHz)、Zigbee(2.4GHz)、電子レンジなど、他家庭やオフィスで使用される無線機器などとは干渉しません。工場や無線計測機器などで920MHzを使用している場合は、チャンネル選択に配慮すれば干渉を防ぐまたは低減することが可能です。干渉による影響を低減するため、本モジュールには、国内の920MHzキャリアセンスの規定動作が実装されており、相互の電波干渉による影響は低減されます。
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13.11 モジュール制御ロジックの改良の禁止本モジュールは、モジュール内部に省電力小型コントローラーを搭載することで、国内電波法、ARIB STD-108等の規定・規約に従った振る舞いを保証しています。設計者や使用者によってこれらの書き換え、改造などはできません。また、書き換えて使用された場合は、電波法に抵触する可能性があります。当社が提供する書き換え可能なファームウェア以外の使用におけるサポートは提供されませんのでご注意ください。
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13.12 RSSI値による送信電力制御本モジュールは、受信時における電波受信強度を示すRSSI値を取得する機能が搭載されています。RSSI値を確認することで、おおよその、送信デバイスとの電波伝搬特性上の距離などを把握することに使用できます。この値は、アンテナ利得などによっても影響を受けますが、同一の2つのデバイス間での電波伝搬特性は対称性をもつといわれているため、返信出力電力を受信時のRSSI値から逆算して低減させて電力の削減や電波使用効率を高めることも可能です。しかしながら、(特に22S特定小電力モジュールにおいては)実際のモジュールの消費電力のうち、送信電力で純粋に消費される電力はその一部であるため、これらの工夫による電力効率の改善については、大きな期待はできないといえます。一方で、電波使用効率の最適化については、送信電力が他の通信に与える影響を大きく減らすことに貢献できることから、アプリケーションの目的や設計者の工夫による効果は期待できます。
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13.13 LoRaを使用した中継通信単一LoRaモジュールでの送信パケットが受信側に直接届けられない長距離や、電波伝搬特性が悪い環境で使用する場合、LoRaパケットを中継するリレー機能を設計者が実装することで、中継によるマルチホップ伝送による到達性確保が実現できる可能性があります。
リレー機能やマルチホップ機器を設計する際においては、次の点に注意してください。
本モジュールは、電波の送出中は受信処理が行えません。送信と受信を同時に実施したい場合は、本モジュールを2個以上組み込むことを設計レベルで検討してください。パケットが中継されることによって、図 62のように2台以上の機器が同時に電波を発射するタイミングが重なりやすくなります。中継する場合の電波発射のタイミングの送信タイミングの重複を避けることを動作設計に組み込むことを強く推奨します。ランダム時間をおいてから送出するなど比較的容易な方法でも実現可能です。
図 62 リレー、マルチホップ中継のイメージと、コンフリクト発生の図
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13.14 技術適合認証・電波法本データシートで説明しているE220-900T22S(JP)、および、E220-900T22L(JP)は、工事設計認証(技術適合認証の量産設計認証)を取得しており、本モジュールと認証済みの指定アンテナとともに、そのままの形でモジュール本体の改良をせずに、本データシートに示す公開された手順に従った使用方法を遵守する限りにおいては、改めて技術適合認証や、工事設計認証を設計者が取得する必要はありません。本モジュールの仕様は、将来改変される電波法令に抵触することが無い限りにおいて、設計者、および、使用者は認証や免許を取得せずに日本国領土・領海内(移動体搭載を含む)において使用可能です。(22Lについてのみ、無線局の設置届と電波使用料の納付が別途必要です。設計や製作・製造については不要です。)
通信衛星などに搭載される場合で、かつ、電波を発射する場合などに関しては、総務省など電波法制の監督局へお問い合わせください。
設計者によって、独自に設計した送信用アンテナを使用したい場合や、本モジュールを分解した場合、定格外の電源や使用法を行う場合などについては、改めて技術適合認証をその要件で取得する必要があります。通常は、当社ではそのような行為に関してのサポートは提供しておりません。設計者による特段の理由で対応が必要な場合は、当社サポート窓口までご連絡ください。
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13.15 日本国外での使用についてE220-900T22S(JP)、および、E220-900T22L(JP)の電波法における認証番号と認証内容は、日本国内でのみ有効です。Wi-FiやBluetooth等における2.4GHz, 5GHz帯の国際統一のISM帯(Industrial Scientific and Medical Band)周波数と異なり、サブギガヘルツ帯のISMバンドは国によって異なります。諸外国においては、400MHz、700MHz〜900MHz帯に分布しており周波数帯そのものが異なっています。本モジュールでのRF設計周波数帯は、850~930MHzの国際的なISMバンドの範囲に対応しており、米国、EU諸国などを含みますが、日本国内において、一般の販売チャネルにて提供するE220-900T22S(JP)、E220-900T22L(JP)型番製品の対応は、中心周波数920.6〜928.0MHzの本データシート記載の範囲です。
日本国外を仕向地とした製品等の設計を検討される設計者向けには、別途当社営業担当までご相談ください。共通デジタルインタフェースをもつ設計品の提供などを含め、ご案内ができる場合があります。