LoRaスペクトラム拡散方式で変調する際に、そのパラメータとしてBW(Bandwitdh:帯域幅)とSF(Spreding Factor:拡散係数)があります。そのBW・SFと、LoRa変調された電波の受信感度について、どのような関係があるか見ていきます。
受信感度は次式で与えられます。[1]
$$S=-174+10\log _{10}BW+NF+SNR$$
ここで、
Sは受信感度(dBm)を表します。
BWはチャネルの帯域幅(Hz)を表します。
NFは受信機の雑音指数(dB)を表し、ハードウェア実装によって異なります。E220-900T22S(JP)モジュールで使用しているLoRaチップ(LLCC68)ではNF = 6 dBとなります。
SNRはSN比(dB)を表します。各SF(拡散係数)にはSNRの限界があり、この限界に達すると、受信機は信号を復調できなくなります。
下の表は、各SF(拡散係数)に対するSNRの限界値を示しています。[2]
Spreding Factor | SNR(dB) |
---|---|
5 | -2.5 |
6 | -5 |
7 | -7.5 |
8 | -10 |
9 | -12.5 |
10 | -15 |
11 | -17.5 |
したがって、上記計算式より、BW(帯域幅)を小さく、SF(拡散係数)を大きくするほど受信感度が向上します。
E220-900T22S(JP)で設定できるパラメータで計算すると以下の通りになり、BW:125kHz, SF:9のとき受信感度が一番高くなります。
パラメータ | 受信感度 |
---|---|
BW:125kHz, SF:9 | -129.53… dBm |
BW:250kHz, SF:10 | -129.02… dBm |
BW:500kHz, SF:11 | -128.51… dBm |
- AN1200.22: LoRa Modulation Basics (https://www.semtech.com/products/wireless-rf/lora-connect/sx1272) ↩
- LLCC68 Data Sheet (https://www.semtech.com/products/wireless-rf/lora-connect/llcc68) ↩