はじめに
Air Check Loggerは、LoRaモジュール、GPSモジュール、microSDカードモジュールおよび7セグメントLED表示器を搭載しており、LoRa通信の通信可能範囲とその範囲での受信感度であるRSSI値(Received signal strength indication)の実測と同時にGPS位置情報を記録できる機器です。
RSSI は”Received Signal Strength Indicator” の略で、 電波の強さ (電波の振幅の大きさ) を示す値で、単位は dBm (デシベルミリワット) です。
本機器では、データを受信したときの受信強度としてRSSI値を表示します。受信可能な有効値の目安としては-140~0dBm の範囲にになります。およそ-140dBm程度までが受信強度の下限ですが、そのほか、S/N比の悪化、遮蔽物による電波遮断などの場合は、LoRaパケットとして受信できない状態である場合は、パケット消失とともにRSSI値も取得、表示はできません。
モジュール構成
仕様と動作環境
ハードウェア各部
オプションバッテリー(付属のLiPo(リチウムポリマー)バッテリーと充電の方法
機能概要
基本機能として
モニタ機能として
チュートリアル
基本的な使い方
モニタモードを使用した便利な使い方
周辺機器の取り付け
計測を始める
機器設定
コンフィギュレーションの変更
ログデータの取得
取得したログデータの可視化
リファレンス
コンフィギュレーション「e220900t22s_jp_lora_config.ini」ファイルのパラメータ詳細
コンフィギュレーションの設定方法
ログファイルの内容
7セグメントLEDの表示種
WoR機能について
機器説明
モジュール構成
仕様と動作環境
項目 | 内容 |
型名 | E220-900T22S(JP) |
周波数 | 920.6MHz ~ 928.0MHz |
変調方式 | LoRaスペクトラム拡散方式 |
帯域幅 | 125kHz ~ 500kHz |
拡散率 | 5 ~ 11 |
伝送速度 | 1.7kbps ~ 62.5kbps |
送信出力 | 13dBm:20mW以下 |
受信感度 | -129dbm |
電源電圧 | 動作定格 3.3V ~ 5.5V |
推奨電圧範囲 | 3.5V ~ 5.0V |
動作温度範囲 | -45℃ ~ +85℃ |
接続端子/基板搭載 | DFN-22 端面スルーホール SMT実装タイプ |
外形寸法 | 16mm × 26mm × 3mm |
ハードウェア各部
名称 | 操作内容 | |
1 | 電源切り替えスイッチ | 上 (ON) BATT:バッテリ使用(付属のLiPo(リチウムポリマー)バッテリー) 下 (OFF) USB:USB使用| |
2 | USB miniB ポート | |
3 | USB microB ポート | |
4 | バッテリコネクタ(付属のLiPo(リチウムポリマー)バッテリー) | |
5 | 充電LED | 赤点灯:フル充電 赤点滅:充電中 |
6 | SDカードモジュール | microSDカード |
7 | BOOTスイッチ | 機器の再起動、logファイルのクローズ処理(ログファイルのEnd of Dataを書き込みます。) |
8 | SoC | ESP32-WROOM-32 |
9 | LoRaモジュール | E220-900T22S(JP) |
10 | LoRa用アンテナ(U.FLアンテナ等) | |
11 | LoRa用アンテナ端子(SMAアンテナ等) | |
12 | GPSモジュール | E108-GN02 緑LED点灯:GPS有効(1秒間隔) |
13 | GPS用アンテナ端子(U.FLアンテナ等) | |
14 | GPS用アンテナ端子(車載用SMAアンテナ等) | |
15 | 7セグメントLED | 受信感度(RSSI値)の表示、LoRaの設定値の変更操作で使用 |
16 | pushスイッチ | (1)SW1 : 項目の送り (2)SW2 : 桁の移動 (3)SW3 : 確定 |
17 | dipスイッチ | (スイッチ1) 上(ON):デバイスに設定 下(OFF):アクセスポイントに設定 (スイッチ2) 上(ON):モニターモードに設定 下(OFF):ロガーモードに設定 |
オプションバッテリー(付属のLiPo(リチウムポリマー)バッテリー)と充電の方法
オプションバッテリーを使用する場合は、「電源切り替えスイッチ」を上(ON)にします。
オプションバッテリーへ充電する場合は、下(OFF)にします。この場合、充電しながらUSBポート経由で給電されます。
機能概要
本機はLoRa通信の可能な範囲、距離を測定するために活用する機器です。
アクセスポイント(基地局)からLoRa通信により送信されたビーコンパケットをデバイス(移動局)で受信し、7セグメントLEDに表示される受信感度(RSSI値)を確認しながら、LoRa通信可能な範囲を測定します。
本機は、1台で4役の機能を持ちます。基本的な使い方における機能を説明します。
基本機能として
(1) アクセスポイント
基地局として、デバイスへのビーコンパケットを送信します。
またデバイスからの応答パケット受信時のRSSI値を7セグメントLEDに表示します。
(2) デバイス
移動局として、アクセスポイントからのビーコンパケットを受信します。
受信時に、7セグメントLEDにRSSI値(受信レベル)を表示し、同時に本機に搭載されたGPSモジュールからの位置情報とLoraモジュールからのRSSI値をmicroSDカードに記録します。
LoRaが受信できないエリアの場合にも、その地点の位置情報を記録します。
(microSDカードに記録されたデータは、そのままPCで地図サイト上にプロットできます)
モニタ機能として
(3) アクセスポイント用RSSI値モニタモード
アクセスポイントの設置場所により(高所など)7セグメントLEDの目視ができない場合に、デバイスからの応答の受信感度をアクセスポイントとLoRa通信できる範囲においてリモートで表示する機能です。
(4) デバイス用RSSI値モニターモード
LoRa通信可能エリアを試験する場合、移動手段によるデバイスの設置方法によってデバイスのRSSI値が目視できない場合に、デバイスとのLoRa通信できる範囲においてリモートでRSSI値を表示する機能です(4台までのデバイスをモニタ表示できます)。